失敗しない!水槽に使うヒーターのベストな選択方法
- 公開日:2015年4月5日
カテゴリー:飼育器具

このページの最終更新日は2016年12月9日です。情報が古い場合がありますのでご注意ください。
熱帯魚・海水魚に始まる熱帯生魚類の飼育や冬場の金魚の保温に欠かせないのが水槽用ヒーター。
メーカーなどが推奨するヒーターの使用目安は
30センチ水槽・・・60~80ワット
45センチ水槽・・・80~100ワット
60センチ水槽・・・150~200ワット 奥行30×高さ36
90センチ水槽・・・400~500ワット 奥行・高さとも45
などなどいろいろですが、水槽の水量に応じて目安が示されています。
が、水温の安定を図るには、可能な限り大きな出力のヒーターを複数使うのが望ましいのです。
ヒーターの出力が大きくなっても消費電力が増え、水が暖まる時間が短くなるのでより水温にムラがなくなるのです。
そして、同じ100Wなら50Wを2本といったように、同じサイズのヒーターの合計が必要な出力となるようにすると、万が一片方のヒーターが壊れてしまった場合にも最低限の保温を行うことが出来、大切な魚の危険を回避することができます。
究極には先ほどの目安となっているヒーターが2本という組み合わせであれば、盤石の状態だと言えるでしょう。
ヒーターが故障しているかどうかを確認する方法は、ヒーターが作動しているであろう温度にサーモスタットを合わせ、水中で軽く握ってみるとぬくもりが感じられるのですぐに分ります。もちろんやけどには注意が必要ですが、経験からして水中で触る分には全く問題がありません。
もう一つの方法としては、比較的高い出力のヒーターであれば、部屋を真っ暗にしてヒーターを作動させると中のニクロム線が赤く光っているのを確認できます。
昔のヒーターは火災防止のための過熱安全装置がなかったので、水から上げて湯気が出たらOKなんて確認方法をしていましたが、今のヒーターはほぼ100%安全装置が搭載されていて、中でも一度温度ヒューズが切れた(安全装置が働いた)ら復旧しないものもありますので、取扱いには注意してください。
安全装置付きのヒーターを使用していて、水槽の大掃除をする際にはヒーターの電源を切ってから最低でも20~30分放置してヒーターそのものが十分に冷えてから取り出すようにしましょう。
ヒーターと比較して大切なのが、ヒーターの電源をON/OFFするサーモスタットです。今のヒーターは安全装置が働くのでまず問題はないですが、安全装置なしのヒーターを使用していてサーモスタットが壊れると際限なく温度が上がってしまうので注意しましょう。
これも経験則ですが、サーモスタットが壊れるとほとんどの場合が常時通電(ヒーターに常時電源が入る状態)状態になって温度が上がってしまうので、特にしばらく使っていないサーモスタットは新品に替えるか様子を見つつ使用するようにしましょう。
ヒーターにはサーモスタット機能が内臓されていて電源を入れるだけで25度前後になるようにセットされているものがありますが、病気の治療などで細菌の活動水温よりも水温を上げたいときに役に立たないのでできればサーモスタットとヒーターは別々のものを用意しましょう。
サーモスタットには限界のヒーター出力がありますが、おおよそ最大許容出力の80%程度までを目安にすると事故が起こりにくくなるようです。ギリギリで使用するとサーモスタット本体も熱くなってくるので、「限界かな?」というのは解ると思います。
万が一ヒーターのトラブルで水温が急激に下がってしまったときは、急に温度を上げるとショックを起こす魚もいますし、特にナマズなどヒーター近くで生息する魚はやけどをすることがありますので、温かい水と入れ替えるなどして水温を上げてからヒーターを使うようにした方が無難です。こういうときのためにヒーターカバーを使うのもいいですね。
余談ですが、多くの製品で、小出力のヒーターにはヒーター本体の中に砂利が入っています。これは、軽過ぎて水面に浮いてしまうことを防ぐためだとメーカーの方が言ってました。
事故防止の1つとして、フチにヒーター穴が開いている水槽を使っている方は、ヒーターを必ずヒーター穴から通して使うと、サーモスタットや電源タップなどが落下した際にヒーターが水槽から抜け落ちてしまう事故を防ぐことができます。
最後にサーモスタットの温度センサーやヒーターの配置場所はどこでも構いませんが、サーモスタットの設定温度はあくまでもサーモスタットのセンサーが感知する温度であり、実際の水温とは異なるため、水温計を使って正確な温度を把握するようにしましょう。

作者: 金魚・熱帯魚・海水魚を飼育しよう!(管理人)
10年余り観賞魚業界にいた経験に基づく有用な情報を配信しています。
また、このサイトでも使っているWordPressテーマ【HABONE】の開発と配布などを行っています。
年齢:50代 趣味/園芸・ペット・卓球