水槽に使う器具の漏電やトラッキングによる火災を予防する方法いろいろ
- 公開日:2016年12月18日
カテゴリー:飼育器具

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水槽といえば「水」と「電気」という危険因子同士が常に近くにある環境であるといえます。特に冬場は締め切りがちになり、室内の空気がこもるので埃と水が混ざって電気の通り道となり、トラッキングが原因で火災が発生することも考えられます。きちんと対策をして不意の火災をおこさないようにしましょう。
今回は実際に少し気を遣えばトラッキングによる火災を防げる方法と、ご法度の方法を紹介します。
水槽の電源コードの取り扱い(基本)
普通に電化製品を使っているときよくあるのが床にタップなどを置いてそこへ製品を接続する方法が一般的です。ただし、水槽での観賞魚飼育の場合はこれが一番のご法度となります。
ご存じの通り、水は上から下へ流れます。そして、観賞魚で飼育している水にはいろいろなものが混ざっています。これらが埃と混ざることで簡単にトラッキング現象が起こり、火災が発生することがあります。
簡単にできる対策は、壁などにフックをつけ、水槽から出たコードは一旦一番低いところまで垂らした後、フックに掛けたタップへ接続するようにする方法です。
一番確実なのは水槽の水面よりも上に電源タップがある状態なのですが、あまり見た目にいい感じがしないので、できれば水槽裏や水槽台の下などへ設置したいものです。
そこで環境はさまざまですが、水は上から下にしか流れないという特性を利用し、水槽から出たコードが一旦電源プラグよりも低くなるようにしておくことで、水槽から伝った水がタップへ直接流れ込むことを防止できます。
蛍光灯についているサービスコンセントは容量を順守する
水槽の上部蛍光灯には電源をすっきりさせるため、水面より上に接続部を設けるためにコンセントが2~4個程度ついています。ここに接続できる電源の合計はタップそのものにも記載されていますので、容量を絶対に超えないようにしましょう。また、サービスコンセントの許容量はあくまでもコンセント器具そのものの許容量だということも忘れてはいけません。
通常蛍光灯本体についているコードは一般家庭で無資格の方が扱える1500Wまでに対応するものですから、蛍光灯本体とサービスコンセントに接続している機器を合わせて1500W以下になるようにしてください。
蛍光灯本体と壁などのコンセントを繋ぐ電源プラグが熱くなっていたり、何となく柔らかくなっていたりするときは容量オーバーが考えられますからすぐに使用を中止するようにしましょう。
また、海水魚の飼育では真水よりも強力に電気を通す「塩」が常にすぐそこにあるわけですから、水替えのときなどにコンセント部分に少しでも水がかかると漏電を起こす原因になります。
さらに、曝気(エアーポンプなどによるエアレーションなど)によって水面に飛び散る気泡の中には塩分が含まれており、結構周囲に飛び散りますからなおさら気を付ける必要があります。
そしてじわじわと漏電がひどくなって、どこかに熱が溜まると、突然発火する危険性がありますので、海水魚飼育では蛍光灯のサービスコンセントは絶対に使用しないようにしましょう。
海水魚でサービスコンセント付の蛍光灯を使う場合には、最初から差し込み口全体をゴムなどでふさぐなどといった対策をすることで安全性が向上しますが、できれば水中蛍光灯や吊り下げ式のものなど、電源部が別の場所にあるものを使われることをおすすめします。
延長タップは差込口を下向きにする
熱帯魚ショップなどでよく見てもらえばわかりますが、店舗の什器(商品を並べたり、魚を販売したりする躯体を一般的にこう呼びます)についているコンセント類は大抵口を下にして設置されています。これは万が一水漏れなどが起こってもコンセントの中に水が溜まらないようにするためです。一般家庭でも一緒ですから、延長コードなどの差込口は必ず口を下にするようにしましょう。
電源をビニールなどで包むのは絶対だめ
それでは水が入らないようにすれば・・・と考えられ、タップをビニールなどで覆って口を輪ゴムなどで止めている方がいますが、ここに入った空気や塵が温まり始めると熱が逃げる場所がなくなり、過熱して発火することがありますから絶対にやめましょう。
普段人の生活で使っているもの(直火を使う器具や電気ストーブなど)と比べ、一旦動かしだすとあまり気にしない水槽の電気を使う器具。知らない間に劣化・漏電してある日突然..とならないよう、普段からのチェックを怠らないようにしましょう。

作者: 金魚・熱帯魚・海水魚を飼育しよう!(管理人)
10年余り観賞魚業界にいた経験に基づく有用な情報を配信しています。
また、このサイトでも使っているWordPressテーマ【HABONE】の開発と配布などを行っています。
年齢:50代 趣味/園芸・ペット・卓球