コケが生えてしまった水槽の砂利や飾りを再生する方法
- 公開日:2015年10月13日
カテゴリー:水の知識
いったんコケが生えてしまうとなかなかきれいに保つことができない水槽。思い切って水槽をリセットしてリフレッシュしようと思ったときに疑問なのが、水槽に入っていた砂利や飾りは再利用しない方がいいのか?ということ。
完全に除去するにはやはり入れ替えた方が無難なのですが、生き物が入った状態からのリセットなのであれば、魚と水を隔離する時に少なからずコケの菌糸が入ってしまうので100%なしにすることはできません。せっかく揃えた砂利や飾りを捨ててしまうのももったいないですし、捨て方にもこまってしまいます。
できるだけコケを残さず退治して砂利や飾りを再利用する方法を紹介します。ただし、砂利は砕けて粉々になってしまうソイルなどの土を使ったものではなく鉱物を使ったものに限定されますのでご注意ください。
コケの生えてしまった水槽の砂利や飾りを再利用する手順
十分に洗う
まずは表面に見えるコケを洗い流します。コケのついた砂利や飾りに独特の臭いがついていますのでよく洗い流します。
また、砂利や飾りは表面がつるつるしているように見えても結構細かい穴が開いていて、その中に腐敗物やコケなどが残っていることがありますから、できれば鍋などに入れて煮沸するとなおよいでしょう。
一般的に細菌(コケも菌の仲間)は、15分ほど熱湯状態のまま(加熱して沸騰させ続けた状態)とすることでほぼ退治できるとされていますので、それを目安に行うようにします。
黒いビニール袋に入れて直射日光の当たる場所に放置する
コケは熱に弱いので、熱を吸収しやすい黒のゴミ袋などに入れ、酸素を遮断するために口を縛った上で直射日光の当たる場所に放置します。
前述の熱湯で処置をした場合でも、念のために行うことをお勧めします
一度完全に乾燥させる
次に砂利や飾りを日光の当たる場所に並べて完全に乾燥させます。砂利は新聞などを敷いた上になるべく平らに並べると水分が下に出ていきますし完全に乾燥させることができます。水中で生えるコケですから熱と同様に根絶やしにする効果があります。
何度か天地返し(上下左右をひっくり返す)をして、完全に乾燥させるようにするのがポイントです
塩素による殺菌
通常は乾燥後よく洗ってから水槽に戻せばOKですが、できるだけ完全に除去したいということで、塩素による消毒をしてより完全に除去します。風呂掃除に「カビキラ―」を使うのと同じです。できるだけ濃い塩素にまんべんなくさらすのがコツです。
砂利や飾りを入れ、水を入れたら市販の食器用漂白剤を入れます。入れた後は隅々まで塩素の成分がいきわたるようによく撹拌してください。そのまま20分から30分放置すれば大丈夫です。
肝心な塩素を抜く処理ですが、一度塩素の入った水を捨てて清水を入れた後、水槽用のカルキ抜きを使えばより安全に塩素の除去ができます。
再びよく洗う
再度死滅したコケの成分と残った塩素の除去のためによく洗います。できればそのあと乾燥させてから使うとより効果的なのですが、十分に洗い流せていればそのまま水槽に戻しても大丈夫です。
その後再度乾燥させてから使用するとより効果的です
水槽や器具も同様の処理ができるとベスト
砂利や飾りはきれいになってもその他の器具にはたくさんのコケの根がついています。魚を隔離しているのであれば水槽や器具も同様に処置するとより効果的です。
魚が入ったままの水槽で処置するには
中の魚が砂利を掬っても巻き込まないように注意すれば、魚を入れたままでも作業可能です。魚を入れたままで行うときは、水槽の中に手を入れる前にフィルターのポンプを止めて(投げ込み式の場合は一旦フィルターを外へ出して)から砂利を抜きます。そして、水槽周りのコケをよく落としてからしばらく放置すると、ゴミやコケが下に沈みますのでこれをホースなどで吸出します。吸いだしたらフィルターを再び動かして、砂利や飾りの洗浄を続けてください。フィルターを動かしたら捨てた分の水を補充して完了です。
砂利などを処置する間に底にゴミやコケが溜まるようなら都度吸いだすようにしてくださいね。
コケを科学的に撃退するグッズを使うのも効果的
観賞魚用品として、コケを退治できるようなグッズも販売されています。総じて「銀イオン」の効果で藻類を破壊するものが多いですが、固形でフィルターにプラスするものが持続期間も長いのでおすすめです。
この方法は簡単ではありますが、ウイローモスなどのコケ類、シダ類は枯れてしまいますので注意が必要です。また、甲殻類にも悪影響が出る可能性があります。
さいごに
本末転倒になってしまうかも知れませんがお伝えしておきます。
コケが生えた水槽というのは、「人間が鑑賞する」という視点での問題であり、一部の藻類(藍藻など)を除けば、水槽内の環境という点では、とても状態がよく、魚たちが生きていくのに適した環境であると言えますから、完全にない環境を作ることを目指すのではなく、適度に付き合っていくのが一番だと思いますから、定期的に水替えなどのメンテナンスを行っている水槽であれば、それほど神経質になる必要はありません。
以上、「コケが生えてしまった水槽の砂利や飾りを再生する方法」について、時間をかけて処理する方法と科学的に手っ取り早く対処する方法の2つを紹介しました。
作者: 金魚・熱帯魚・海水魚を飼育しよう!(管理人)
10年余り観賞魚業界にいた経験に基づく有用な情報を配信しています。
また、このサイトでも使っているWordPressテーマ【HABONE】の開発と配布などを行っています。
年齢:50代 趣味/園芸・ペット・卓球