今日は相棒の手術の日。
前夜は全然眠れずに、ほとんどの時間意識があったのを覚えている。
朝、約束通り電話が鳴る。声が聞けた。
でも、交わす言葉はいつもの感じで、もしももしもがあったらこれが最後の会話かも..とすごく後悔した。
早めに病院に着く。
案の定、本人には会えず、手術の終了を待つ部屋で待機。
すると...看護師が来て「〇〇さん(相棒)がいない」と。
ええええ~~~~っ...
朝電話したことを伝える、後から考えたらその時間移行に絶対誰かと会ってるはずなのにね。
結論は、自分で時間を見て、きちんと手術室へ行ってたというオチ(我が家は時間前行動が大原則なので、多分早めに行ったのだろう...)。
相棒は、入院中でも殊に時間についてはきちんとしているそうで、何人かの看護師さんから「しっかりしてますもんね」と褒められた。
内心「まあな」と思ったが、これが我が家である。
無事発見?され、手術室前で本人に会う。
交わした言葉は「貴重品のカギは〇〇にあるからね」「うん、わかった」。
以上....なんで???
手術はなんと10時間に及ぶ。
途中で何度も、
「何か不測の事態があればすぐに呼ばれるんだから、何もないのは大丈夫な証拠」
「まさか不測の事態が深刻ですごい戦いになっているのか?」
「まさか最期の会話がカギの場所ってことないよね」
などなど悪い方悪い方へ傾く。
「大丈夫、大丈夫」と何度言い聞かせたことか。
午後8時過ぎ、手術の終了を告げるため、看護師さんが来た。
開口一番「終わりました?」ではなく「帰ってこれたんですね」と言ってしまった。
その位、結構精神的に追い込まれてたんだろう...。
本人に会いに行く途中で涙が流れ、手術室から出てきた本人とまた涙。
感情を抑えるなんて格好つけてる場合じゃない。誰に見られても構わない。
とにかくとにかくとにかくよかった...。
その後、病室で本人と会い、まあ10時間も闘ったんだからそりゃ疲れてるだろう。
いくつか言葉を交わして「また明日」と病院を出た。
手術に携わってくれたすべての方に、本当に本当に本当に感謝!
術後、執刀医から病巣を見せてもらった。見たのは開き?の状態だったが、癌ってこんな風になるんだと唖然とした。
なんだかイボの上にイボがある感じでこんなので通路が狭くなってたらそりゃ体調悪くなるわと感じる見た目と色だった...。
これで順調に回復すれば、2週間程度で退院できる。
体力回復には時間がかかるだろうし、5年間は再発や転移の恐怖との新たな戦いなので気が抜けないが、手術前のあの流動食..じゃなく、早く普通のごはんを一緒に食べたい。
話は変わって、術中待ってる部屋でのこと。
同じ部屋の中に、何だか手術慣れしてるのか?口から生れてきたのか?という人がいて、終始ベラベラしゃべってる。
その人は午前に来たのに午後から手術だと言われてブツブツ文句を言ってて、「うちは午後から1時間位だからいいけど、ずっと待ってる方は大変ねぇ」なんて部屋中に聞こえるような声でさわいでるから、気分が悪くなって部屋を出て、そのババアがいなくなるまで、廊下で数時間立ちっぱなしで過ごした。
途中看護師さんが「どうしました?」と声をかけてくれたが、こんなババアには何を言っても逆効果なので、「いやいや部屋が寒くて..」と言ってやり過ごした。
手術を待つ疲労よりも、半ばそのババアへの怒りというか、落胆に疲れた一日だった(笑)。