私は戦後生まれなので、戦時中の話は父親からちらっと聞いた程度で、どんなものだったのかは全く知らない。
唯一父から聞いたのは朝ドラ「あんぱん」のように軍に入ってという視点ではなく、一般市民として空襲に遭った時のこと。私の生家は幸い被害がなかったそうだが、警報が鳴り響く中、家の前の道路を機銃掃射され、とても怖い思いをしたのを鮮明に覚えているという話。
現代の日本ではまずそんなことは起こらないから想像もできないけど、さぞかし怖かっただろうと思う。
朝ドラは「あんぱん」だけでなく、戦争の前後に生きた人たちを描写したものが多いが、私が知る限りでは日本軍に招聘された人を描いたものは「あんぱん」だけではないかと思う。
「あんぱん」の中でここ最近は、崇がひどい仕打ちを受ける描写が何話も続いて、私自身はうんざりするというよりも、当時の日本の姿が実際本当にそうだったのかというのはドラマに任せたとしても、戦争に反対している人間でもこんな風にして軍人になってしまっていくんだという驚きというか、当時の状況や心情を知るいい機会になっている。
当時の日本の首脳たちは、いったいどの段階でこの戦争に勝てる可能性がないと判断していたのか?そう思っていても負けを認めることができないバイアスが働いていたのか?はたまた最後まで勝つと本気で思っていたのか?ひょっとして首脳たちは自分たち自身が戦地に直接赴いて死ぬわけではないから別に何とも思っていなかったのか..そうだとしたら無性に怒りがこみあげてくる。
この第二次世界大戦の最中、日本が真珠湾を奇襲して宣戦布告した相手であるアメリカ本土では、市民は恐らくトムとジェリーを見て大笑いしていたのだろうと思うと、本当にやるせなくなる。
あの戦争があったから今の日本がある、それを忘れてはいけないし、見たくない!ではなく知るべきだと毎日朝ドラを見ているうちに思うようになった。
だから、SNSや視聴者から寄せられるマイナスな意見を気にせず、伝えることは伝えるという姿勢を「アンパン」では貫いてほしい。