地域猫反対派と賛成派、そして黙認と容認

地域猫反対派と賛成派、そして黙認と容認

地域猫や野良猫に対する考え方は人それぞれ。今日は初めて地域住人の方から面と向かって反対派の意見をもらいました。おそらく「賛成派」と「反対派」の方が融和することはありえないと思っているのですが、

  • 動物が好きor嫌い
  • 猫が好きor嫌い

という感情論をできるだけ除いてそれぞれについて考えたいと思います。

ただ私はこんなサイトを作っている位ですからもちろん賛成派なので、賛成派の意見として当然「偏見」がありますからご容赦くださいね。

私が「賛成派」な理由

 私も感情論で言えば「動物が好き」だし「動物がかわいい」と思っているからちょっとおやつを・・・というところから始まったのは確かですが、

  • ここにいる猫たちが他の方にできるだけ迷惑をかけないように努力して管理している人と出会ったこと
  • ここにいる猫たちが累代繁殖しないように対策されていること
  • ここから排除することが解決策だと思わないこと

からお世話を手伝うようになり現在に至っています。感情ではなく行動としてやっているのは

  • 毎日定期的に様子を見に行き、エサや水の管理や健康状態を確認すること
  • 周囲の汚れや不法に捨てられたゴミなどの撤去・清掃を行うこと

です。文字にしてしまうと簡単なことのように思われるかもしれませんが、毎日となると大変なことですし、当然お金もかかりますし、猫たちのいる場所に捨てられている空き缶やファーストフードのゴミ、どう捨てたらいいのか分からないからここにと捨てられた大量のスプレー缶や粗大ごみなどを片づけ、落ち葉の掃除など、近隣で猫と関わっていない方がしないこともしています。時折猫賛成派や容認している方、黙認している方から「いつもきれいで気持ちがいいですね」と声をかけていただくこともあります。

ちょっと脱線しますが「黙認」と「容認」はニュアンスが違うようで
コトバンクによると

ようにん【容認】
( 名 ) スル
(本来は認められないことを)よいと認めて許すこと。 「今回の提案は-しがたい内容を含んでいる」 〔類義の語に「許容」があるが,「許容」は基準からはずれてはいるが,それを許して受け入れる意を表す。それに対して「容認」は法律的道徳的に誤っていて本来は認められない物事を,大目に見てよいと認める意を表す〕

もくにん【黙認】
( 名 ) スル
おおっぴらにではなく,暗黙のうちに許すこと。 「遅刻を-する」 「 -の形になる」

という違いがあるそうです。


そして何よりも大事なのが、

  • 地域猫は一代限りの命、数が増えることなく最終的にはゼロになること
  • 無計画に繁殖され、心無く遺棄された命をつなげること
  • 無計画に繁殖され、心無い人によって命が遺棄されることがないようにすること

です。よその地域から渡り歩いてきて知らぬ間に居ついたり、地域猫だからと捨て猫に不妊治療をして再び放す(偽TNR運動)ことを避けたりすること目的だと考えています。

2016年の今日まで(約半年間)に、分かっているだけで7匹の猫が遺棄され、保護し、1匹は死に、他の仔のほとんどは無事に次の飼い主の元へ行きました。我が家は保護したあんずが短い命を閉じ、「マロン」と「ミク」の2匹の仔が里親に行きました。

あんずの場合は保護当時両後ろ足が全く動かない状況でしたし他の兄弟を含めて大声で鳴いているのに周囲は何もしない状況でした。

マロンとミクの場合は絶対周囲のお宅には聴こえているであろう程の大きな声で鳴いているのに、あんずのときと同じく周囲は何もしないという現状を目の当たりにしました。

もちろん近くに「容認」や「黙認」している人が住んでいるにも拘わらずです。当時言い方は悪いですが「あいつらあまりにも都合がいい!」と憤ったのをよく覚えています。

そもそもここへ捨てられた猫たちはあまりにもカラーや顔がここにいる地域猫達と似ています。もともとここの地域猫も最初は捨て猫だったこと、ここの地域猫は妊娠の可能性がないことから考えると、おそらく近くに住んでいる猫で同じ猫または同じ血統の猫から産まれ、毎回遺棄されているのだと想像できますが、残念ながら現場を見たことはありません(現場を見たら「不法投棄というれっきとした犯罪」ですから即警察に連れて行きます)。決して避妊去勢に費用がかかるからという理由では片づけられません。よしんばここへ遺棄することを防いだとしても他の場所へ捨てられたのでは問題解決になりませんから、親となる猫に不妊をさせることが大事ですし、育てられない命を殖やしてしまったのですから自らの手で愛護センターへ連れて行かせることが大事なのも承知しています。

反対派の意見

猫や動物が嫌いという感情論は除外した上で地域猫に反対する人の意見として

  • 自分の家の周囲などにフンや尿をされて臭いがする
  • 植木やゴミなどを散らかされる
  • 喧嘩や発情の声がうるさい
  • 猫がいるから捨て猫が出る
  • 猫がいるから他の地域から猫が来る
  • 家族が猫アレルギー

というのが反対派のご意見といったところでしょうか?他にもいろいろあるのかもしれませんが、反対派でないので分かりません。

ごもっともな意見ですが、反対する方にお願いしたいのは

  1. 野良猫がやっているのか、地域猫がやっているのか、はたまた他の動物が害を与えているのかを正当に評価してほしい
  2. 猫たちを排除するなら自分の手で愛護センターなどに通報したり、連れて行ったりしてほしい
  3. 捨て猫が現れたときに自分の手で愛護センターなどに通報したり、連れて行ったりしてほしい

ということ。
賛成する人が共同で定期的に世話をしているのと同様、反対する人も共同で対策をしてくれればそれでいいということです。

  1. 自分で愛護センターへ連れて行く→一定期間里親募集→いなければ殺処分
  2. 町内会や自治会などで決議して共同で1の行動をとる
  3. 保健所へ連絡をして1をしてもらう

などできる手立てはあるのですが何故しないのか?ここの猫ちゃんと関わってしばらくになりますが、私にとって一番不思議に思うことです。

この仔たちはある程度歳をとっていますし、家に閉じ込めれば悪さしたり鳴いたりすることもあるでしょうから里親さんが見つかる確率は非常に低いので、おそらく最終的には殺処分となるでしょう。感情を挟めば「かわいそう」とはなるのですが、私はそうなったらそうなったで仕方ないと思っています。ただ、賛成派ですから私自身の手でこうした処置をすることは全く考えていません。少なくともあと数年で自然に終了するわけですから・・・。

人慣れしているので捕獲するのは簡単ですから反対しながら行動しないのはご都合主義なのでは?というのが賛成派としての私の意見です。

難しいのが「容認」と「黙認」

前述したように、「容認」と「黙認」には違いがあって、ここの猫たちの環境に合わせて個人的に解釈すると

  • 容認は、猫がいるのは知っているけどきちんと管理されているし繁殖もしないことも知っているから仕方ないかなと思っている人
  • 黙認は、猫はいるけど詳しい事情は知らない、でも自分に害はないからいいかと思っている人

だと思います。微妙ですが全然違うと考えています。この人達は時と場合によって「賛成派」「反対派」のどちらにもなり得るところが大変です。
 今回意見をもらった人は以前にも私がエサをやったり掃除をしたりする姿を見ていますが特に声をかけられることもありませんでしたので黙認されていたと思います(今日話してみて容認されていることが分かりました)。
が、

  • 住居の周囲でフンや尿をされて困っている
  • ネットがかけられていない生ごみが荒らされている

ことからこれらが今エサを食べている猫たちの仕業だと決めて声をかけてきたと思われます。もちろん私はどこがこの仔たちの行動範囲なのかもできるだけ把握していますし、トイレが決まっているのも実際に排泄する姿を見て知っていますからこの仔たちではないことが分かっていますし、不妊手術されているのですからこの仔たちがスプレー行動によって臭い尿をかけることが少ないのも知っています。

それに、実際カラスにゴミや残ったエサが荒らされている姿を見ていますから、エサ場にエサは残さない(残っていて食べなかったら処分することもある)、周囲のゴミ捨て場にネットがかけられていないゴミがあればしまう、カラスに荒らされていれば片づけるなどといったこともしています。

が、今日エサをやりながらふとゴミ捨て場に目をやるとカラスに荒らされたと思われるゴミがあり、片づけようかなと思ったところにゴミを捨てに来た方が・・・で「今日こそ一言いってやろう!」となったんだと思います。

どちらも確実にゴミを漁っているのが猫なのかカラスなのか、その方の周りで排泄をしているのが本当にこの仔たちなのかどうか100%言いきれないわけですから折り合うことはありません。おそらく巡り巡って地域猫だろうが何だろうがここに猫がいるから・・・という結論になってしまうと思います。「そもそも私が始めた地域猫じゃない!」と言い放ちたいところではありますが、意見をもらえるのは逆に「いつも世話をしている人」だと認識されている証拠でもあり、「そんなこともあるのか?」と気づかせてくれる機会だと前向きにとらえるようにはしています。

本当に厄介なのは感情だけの人

反対派、黙認、容認とそれぞれの人がいるわけですが、私が思う一番やっかいな存在がたまに触ったりたまにエサをやったりする人。

私は賛成派であってもやはりこの地域は「猫にエサを与えないで」と貼り紙がされている地域。「容認」を前提に賛成派として本来いるべき存在でないことは十分理解した上で一代限りの命のためにいつも世話をしている一人です。前述したように他の動物や猫を寄せ付けないような対策などは行っていますが、存在が認められていない以上「こうしましょう」とできるわけもなく、あくまでも私が見た限りで!となってしまうのは仕方ありません。

が、エサ場のエサ入れにいつやったのかも誰にやったのかも分からないエサが山盛りになっていたり、エサ場でない場所にエサが落ちていたり、ちょっと立ち止まってなでなでしているかと思えば誰かが来たらさーっといなくなったりと「自分の都合と感情だけで関わる人」をよく目撃します。エサを残さない、エサ場を決めるというのは最低限やらなければならないので声をかけようと思うのですが、悪い言い方すれば逃げていかれてしまうのでどうしようもないのが現状です。

そして、誰かに苦情を言われたり文句を言われたりすればたちまち寄り付かなくなるのもこの方達の特徴。そうなったらこの仔たちはどうするの?は考えていない、これもまたご都合主義としか言いようがありません。

最後に

賛成派からの意見ですから偏った意見であることは承知の上で書いています。

  • 反対派からみた意見
  • 賛成派からみた意見
  • 容認・黙認する人からみた意見
  • 反対派が実際に取った行動
  • 賛成派が実際に取った行動

など誹謗中傷ではなくきちんとした意見をコメントいただければと思います。