犬猫の生年月日偽装は恐らく氷山の一角だろう..ペット業界の闇

犬猫の生年月日偽装は恐らく氷山の一角だろう..ペット業界の闇

今日目に飛び込んできた、「子犬・子猫の出生日偽装疑い オークション会場や繁殖業者を一斉検査」というニュース。え?そんなことあるの?と思う方も多いだろう。

ニュース記事はすぐに消えてしまうので、以下が抜粋と引用。

動物愛護管理法は生後56日(8週)以下での展示や販売を禁じている。環境省は、この規制を逃れるため実際は生後56日が経過していない幼い子犬・子猫の出生日を偽った取引が行われている可能性があるとみて、実態を調べている。

私はずいぶん昔に、魚系に強かっただけで犬猫の専門ではなかったものの、一応この業界にそれなりな期間携わってきた人間。その中で実際に犬猫に携わっていた期間もあって、業界の闇について結構「本当に闇やな」と思うことが多かった。

今回の誕生日の偽装については、そのうちの1つという話であって、「まあそんなこと茶飯事なんだろうな」というのがニュースを見た率直な感想。

動物に関係ない話をすれば、本当に動物が好きで..という人たちは、みなし残業などといった不憫な労働契約を結ばれて長時間労働を強いられ、なかなか非正規雇用から脱出できずに最低賃金ちょうどで働かされているのに、ペットオークションやペットショップに来るオーナー的な人間が、どうして?と思う位の高級車に乗り、ブランドものをチャラチャラ身に着けているのを見れば、誰でも普通の業界でないことは分かると思う。

動物の愛護及び管理に関する法律は法として存在してるだけ!?

私は実際とある企業で動物の愛護及び管理に関する法律(いわゆる動物愛護法や動愛法)が施行される時の会社としての仕組みづくりにも携わった(今でも踏襲されているのかは不明)。

まあ昔の話なので改正法でどうなったかまでは知らないけど、この法律を大雑把に言うと、

  • 一定知識を持つ、売る(管理する)責任者を拠点ごとに設けること
  • 動物の習性などについての詳細な説明を購入者に行うこと
  • 販売と保管(いわゆるペットホテル)について、取引台帳を付け、一定期間保管すること
  • マイクロチップの装着を義務化(当時はなかった)

というもので、悪質な販売業者を排除することと、安易に飼育しないようにすることが大きな目的。

でもこれは「業(繰り返しその拠点でそれらの行為を行うこと)」が前提であり、「業」でない一般市民には全く関係ない法律なので、そもそも片手落ちな法律。

さらに、いつでも家畜保健所などが帳簿の開示を求めたりできるとはなっているものの、それから数年間その会社にいたが、特に保健所などが立ち入り検査を行ったり、帳簿の開示を求められたりしたこともなかったから、まさにやらせているだけの法律という肌感覚だった。

また、電子化されているわけでも、移転(店間の異動)によって紐づけに明確なルールもなかった(当時の仕組みでは各動物に番号を振って追えるようにはしてたけど..)ので、今流行りの政治家の裏金問題のように、例え開示したとしても「帳簿はこちらで~す、あとは調べてね」状態だから、多分何の役にも立たないだろう..。

生年月日の偽装は簡単にできてしまう現実

一応動愛法によって、どこで生まれてどこへ行って..というのは追おうと思えば追える(多分無理)ようにはなったが、肝心の「産まれた~~」という瞬間は、人間のように医師や助産師の証明が必要ではないので、ブリーダーや個人で繁殖した人の正直さにゆだねられている。

ひどい言い方すれば、どの親から何匹の子が産まれたのかということも、ブリーダーや個人で繁殖した人がまさか嘘はつかないだろうという前提に成り立っている。

つまり、ニュースのように、オークションに出すまでの日数が欲しければ(8週齢)、いくらでも改ざんできてしまうということ。

今回はあまりにもオークション間近で57日に達した子が多かったから、??となって発覚しただけの話。子犬の成長は人間と一緒でさまざまだから、数日だったら分からないだろうな。

..というのが今回のニュースを見た感想&現状の考察。

このページを見た人は「うちの子は血統書付きだから心配ない」と思っているかも知れないので、血統書の闇についても以下で触れておく。

これを見たら血統書なんてただの紙切れで、高い手数料払わされてるだけってのが少しは理解いただけるかも知れない..。

血統書って信用できるの?

一応血統の管理は行っているようだけど...

日本の血統書管理団体で一番大きなJKC(ジャパンケネルクラブ)では、2003年に、生まれた子犬の血統書を発行するために行う一胎子登録の際に、牡(オス)親のDNA登録が必須となっている。

つまり、以前に噂に聞いたことがある、産まれた子犬をわざと同時期に生まれたチャンピオン犬の子と偽って登録する、本当は極近縁交配によって生まれた子なのに別の親から生まれたことにして、血統書上の欠点をごまかす等の不正行為ができなくなった。

https://www.jkc.or.jp/certificates_and_breeding/dna_registration

ただ、上記のJKCの公式ページにもある通り、

DNA登録は、関係各位のご協力を得まして、2003年9月より該当する登録犬について実施させていただいております。
登録されたDNAデータは、繁殖者の申請書に基づいた登録犬の個体識別を目的として本会が管理し、万一当該犬に係わることがあった場合に使用させていただきます。

DNA登録に用いられた原資料・検査結果については、公開しておりません。

とされており、全頭が対象ではないことと、登録された牡犬の検体を送り、高い登録料を払っているだけで、その後のことについては開示しないとされているから、本当に検体を検査して何かのデータとして保存しているかも不明。

また、DNAは生まれた子犬の登録や照合をその時に行うものでもないし、その子犬(牡)が次の世代の親となった時点で、実は血統が繋がっていなかった..なんて話も聞いたことがないから、何を調べ何を管理し、どこで照合しているのかすら謎だ。

ただこれについては、ブリーダー側が不正なくきちんとやっていることを願うばかりだが、個人的には甚だ疑念が残る。

兄弟の数なんてあてにならない

血統書には、同じ時に産まれた兄弟が何頭いるのかが分かるようになっていて、多分血統書をショップへ取りに行ったり、郵送でも親切なところはそうした情報の見方が書かれているものが同梱されていたりするでしょう。

これをするために一胎子登録をするわけだが、実はこれは産まれてすぐに行うわけではなく、ブリーダーが売り物になると判断した子だけ申請することも多い(死産とか奇形とか..)。なぜって?それは費用がかかるからにほかならないでしょう。

せっかく血統書を発行したのに売り物にならなかったら損だからね。

つまり、本当は4兄弟なのに3兄弟と書かれているってことはざらにあるってこと。

また、生年月日についてもニュースになった=当然血統書上の生年月日も偽装なんだろうし、DNAで血統の偽装はできないとはいうものの、前述の通りどうなんだか...。

間違いなくその子の血統書なの?

申請が遅くなったり発行団体の処理遅延があったりして、ブリーダーからショップへ来る時に血統書が一緒に来るというのはごく稀で、通常は販売後に届き、購入者が連絡を受けてショップへ取りに行ったり、郵送で送られてくるのが一般的。

では、一緒に届かないものをどう判断してるのか?

これは至ってアナログ。〇〇というブリーダーから買った〇〇という色で〇〇あたりの生年月日で、牡(牝)で..などなどといった情報から、ショップの事務方は「この子だ!」としてるだけ。

特色ある子なら100%正しいんだろうけど、よくある種類のよくあるカラーだったら..おおーー怖。

さらにこれは実際に見聞きしたことがある非常にダークなことなんだけど、例えばブリーダーの手違いなんかで血統書が届か~~ん!!なんてなった時どうしてるか?

当然最終販売者であるショップ側としては、血統書付きという付加価値を付けて販売していて、買った人も血統書を戸籍謄本のように思ってるだろうから、これは本当に大問題。

そんな時は....近い頃に生まれて..特色も問題なくて..みたいなことが実際にあったりして(あった)。

結論から言うと、買った時同時に渡される場合であっても、上記のいろいろから、血統書は「まあこんな感じに産まれてきたと思われますよ」程度の書類であって、実際はどうなん?というものだということ。

血統書が届くとやれ会費やら名義変更やら..といろいろと費用を取られるような感じになってるんだけど、特にその子が将来子を持つ、かつその団体で血統書を発行するつもりでないなら、これらは一切不要だろう(後々やるとややこしいことはややこしいし費用も余分にはかかるのだが)。

もっと言うとこうした団体は....まあこの位にしておこう。

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作者:

白黒ハチワレ猫の「モモ」と暮らしています。
このサイトでも使用しているWordPressテーマ【HABONE】の開発と配布を行っています。

年齢:50代 趣味/園芸・ペット・卓球